【GTM】Googleタグマネージャー(GTM)とは? Webマーケティングの効率を劇的に上げる「司令塔ツール」を徹底解説
2025.12.24
Webコンサル初心者必見!Googleタグマネージャー(GTM)の基本から活用法まで徹底解説。タグの一元管理、GA4連携、広告計測をプログラミング知識なしで実現し、Webマーケティングを効率化。GTM導入のメリット・デメリットを理解することができます。
日々進化するWebマーケティングにおいて、効率的なデータ活用は成功の鍵となります。そんな中で「Googleタグマネージャー」(GTM)という言葉を耳にすることも多いでしょう。「何となく便利そう…でも、具体的に何ができるの?」と感じているWebコンサル初心者の方に向けて、GTMの基本からメリット・デメリットまで、分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことによって得られる知識!!
- GTMが何者なのか、その役割
- GTMで具体的に何ができるのか
- GTM導入によるメリット・デメリット
はじめに:なぜGTMが必要なの?
Webサイトを運営していると、「アクセス数を分析したい」「広告の効果を測りたい」「ユーザーの行動をもっと深く知りたい」など、様々な目的が出てきます。これらの目的を達成するためには、Googleアナリティクス(GA4)やGoogle広告、Facebook広告、ヒートマップツールといった外部サービスを導入し、それぞれの計測コード(これを「タグ」と呼びます)をWebサイトに埋め込む必要があります。
しかし、GTMが登場する以前は、これらのタグを一つ一つWebサイトのHTMLコードに直接貼り付けていました。これは開発の専門知識が必要な上に手間がかかり、タグが増えるほど管理が複雑になり、時にはサイトの表示速度低下や不具合の原因となることもありました。
そこで登場したのが「Googleタグマネージャー」です。Webサイト運用者が直面していた課題を解決するために開発された、まさに救世主のようなツールと言えるでしょう。

1. GTMって、一体何者?
Googleタグマネージャー(GTM)は、ウェブサイトやアプリに導入したい様々な「タグ」(計測コードやスクリプト)を、Webサイトのソースコードを直接編集することなく、一元的に管理・配信するための無料ツールです。
イメージとしては、あなたのWebサイトに設置する「多機能な司令塔」や「タグ専用のスマートな電源タップ」だと思ってください。
- 司令塔: どのタグを、いつ、どの条件で発動させるかを指示します。
- 電源タップ: たくさんの計測ツール(家電)のプラグを一つにまとめて管理し、必要に応じて電気(情報)を流したり止めたりできます。
GTMをあなたのWebサイトに一度だけ設置すれば、あとはGTMの管理画面を通じて、必要なタグを自由に追加・変更・削除できるようになるのです。これにより、専門知識がないマーケターでも、Webサイトの計測環境を自身でコントロールできるようになります。

2. GTMがあなたのサイトでしてくれること
では、具体的にGTMがどのような役割を担ってくれるのかを見ていきましょう。
2-1. タグの一元管理と配信によるコード埋め込みからの解放
Googleアナリティクス(GA4)、Google広告のコンバージョンタグ、Facebook広告のピクセルコード、各種ヒートマップツールやチャットボットなど、あらゆるツールのタグをGTMの管理画面上でまとめて設定できます。いちいちWebサイトのHTMLファイルを直接編集する手間が大幅に削減され、そのほとんどが不要になります。
例えば、GA4の計測だけでも下記のような数行のJavaScriptコードをWebサイトの全ページに手動で貼り付ける必要があります。これらに加えて、他のツールのコードもそれぞれ貼り付けていくとなると、HTMLファイルを直接編集する手間が大幅に削減されることがお分かりいただけるでしょう。
<!-- Google tag (gtag.js) -->
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=G-XXXXXXXXXX"></script>
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
gtag('js', new Date());
gtag('config', 'G-XXXXXXXXXX'); // ここにあなたのGA4測定IDが入ります
</script>Code language: HTML, XML (xml)
GTMでは、この複雑なコードを直接触ることなく、GA4の測定IDを入力するだけで設定が完了します。
2-2. 発動条件(トリガー)の柔軟な設定
「いつ、どのタグを動かすか」をGTMの管理画面で細かく設定できます。このタグが発動する条件を「トリガー」と呼びます。
- 「すべてのページが表示されたときにGA4の計測タグを動かす」
- 「特定のボタンがクリックされたときに、広告のコンバージョンタグを動かす」
- 「お申し込みフォームの送信が完了したら、サンクスページでGA4のイベントタグを動かす」
- 「ページのスクロール率が50%を超えたら、動画視聴イベントを送信する」
上記のように、ユーザーの様々な行動やWebサイトの状態をトリガーとして設定し、計測したいタイミングで正確にタグを発動させることが可能です。これにより、より詳細なユーザー行動の分析が可能になります。

2-3. 情報の取得と活用(変数)
Webサイトからの情報収集:ページのURL、クリックされた要素のテキスト、フォームに入力された値など、Webサイト上に存在する様々な情報をGTMが自動的に取得し、「変数」として利用できます。
- 例えば、「クリックされたボタンのテキスト」を変数として取得し、そのテキストをGA4のイベントデータとして送信するといったことが可能です。これにより、「単なるボタンクリック」ではなく「どのボタンがクリックされたか」を詳細に把握できるようになり、ユーザーの具体的な行動分析やサイト改善に役立てられます。
変数を活用することで、よりリッチで意味のあるデータを計測し、マーケティング施策の精度を高めることができます。
2-4. 公開前のテストとバージョン管理
安全な導入プロセス:設定したタグやトリガーが意図通りに動作するかを、実際に公開する前にテストできる「プレビューモード」が備わっています。これにより、本番サイトに影響を与えることなく、安心してタグの設定を行うことができます。
安心の履歴管理:設定を変更するたびにバージョンが保存されるため、何か問題が発生した場合でも、いつでも以前の安定した状態に戻すことができます。誤った設定をしてしまっても、すぐに元に戻せるため、安心して様々な設定を試すことができます。
3. GTMを使うことで得られる素晴らしいメリット
GTMを導入することで、Webサイト運用とマーケティング活動において、計り知れないメリットが得られます。
3-1. プログラミング知識不要で自分で対応可能
これがGTMの最大の魅力かもしれません。HTMLやJavaScriptといった専門知識がなくても、視覚的な管理画面を通してタグの設定ができます。これにより、Webコンサルタントやマーケティング担当者自身が計測環境を構築・改善できるようになり、開発部門に依頼する手間や時間、コストを削減できます。
3-2. スピーディーな施策展開と改善サイクル
通常、新しいタグの導入や変更には、開発チームへの依頼と実装待ちの時間が発生します。しかしGTMを使えば、そうした時間的コストを大幅に削減し、思いついた施策をすぐに実行し、効果検証へ移れるようになります。これによりPDCAサイクルを高速で回し、Webサイトのパフォーマンスを早期に向上させることが可能になります。
3-3. タグの混乱を解消し、管理が楽に
複数のタグを直接Webサイトに埋め込むと、どこに何のタグがあるのか、どのタグが動いているのかが分からなくなりがちです。GTMを使えば、すべてのタグがGTMの管理画面に集約されるため、常に整理された状態で管理でき、後のメンテナンスも容易になります。何が動いているか一目でわかる状態は、エラーのリスクも軽減します。
3-4. セキュリティと安定性の向上
- タグの干渉防止:複数のタグを直接埋め込むと、コードの記述ミスや読み込み順序によって互いに干渉し、サイトの表示崩れや動作不良を引き起こすリスクがあります。GTMはこれらのタグを効率的に管理し、干渉の可能性を低減します。
- バージョン管理:変更履歴が残るため、何か問題が起きてもすぐに以前の状態に戻すことができ、サイトの安定稼働に貢献します。
3-5. 開発チームの負担軽減と部門間連携の強化
マーケティング施策に必要なタグの導入・変更をマーケティング担当者側で行えるようになるため、開発チームは本来の業務に集中できるようになります。これにより、開発リソースの無駄遣いを避け、部門間の連携がスムーズになり、組織全体の生産性向上にもつながります。

4. GTMにも知っておきたい注意点(デメリットや導入時の注意点)
非常に便利なGTMですが、いくつかの注意点も存在します。
4-1. 学習コストが発生する
GTMの基本的な使い方自体は直感的ですが、「タグ」「トリガー」「変数」といった概念を理解し、実際に設定できるようになるまでには、ある程度の学習時間が必要です。特にWebコンサル初心者の方は、最初は少し難しく感じるかもしれません。しかし、一度習得してしまえば、大きなリターンが得られるスキルとなるでしょう。
4-2. 設定が複雑になると管理も大変に
たくさんのタグやトリガー、変数を無計画に設定していくと、GTMの管理画面自体がごちゃごちゃになり、かえって分かりにくくなることがあります。導入前にしっかりとした設計や命名規則を決めておくこと、定期的に設定を見直すことが重要です。
4-3. データレイヤーの理解が求められる場面も
より高度な計測(例えば、ECサイトでの商品購入情報や、ユーザーのログイン状態など)を行う際には、「データレイヤー」という仕組みを使ってWebサイトからGTMへ情報を渡す必要があります。これにはWebサイトへのコード埋め込みが必要となり、開発側の協力が不可欠です。完全に開発不要というわけではなく、高度な計測では連携が必要になることを覚えておきましょう。
5. まとめ:GTMはWebサイト運用の強力な味方
Googleタグマネージャーは、Webマーケティング活動を効率的かつ効果的に進める上で、今や必須とも言える強力なツールです。
Webコンサル初心者の方にとっては、最初は少し覚えることが多いように感じるかもしれませんが、一度慣れてしまえば、Webサイトのデータ計測や施策改善において、あなたの大きな武器となるでしょう。
- プログラミング知識がなくても、自分で計測設定ができる
- 新しい施策をスピーディーに試せる
- Webサイトの計測環境を整理整頓し、管理しやすくする
まずは自身のWebサイトやクライアントのWebサイトにGTMを導入し、簡単なタグ(例えばGA4の計測タグ)を設定するところから始めてみてください。実際に手を動かすことで、GTMの持つ便利さと可能性を実感できるはずです。Webコンサルタントとしての第一歩を、ぜひGTMと共に踏み出しましょう!
TOP







前の記事