YMYLとは?該当ジャンルとSEO対策のポイントについて解説!
インターネット上には、多くのジャンルのコンテンツが存在していますが、
中でもより高い正確性や信頼性が必要とされる「YMYL」というジャンルがあります。(Your Money or Your Lifeの略)
「YMYL」は、Google検索品質評価ガイドライン※1で「人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピック」を指します。
参考(※1)
https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdfお金や健康など、人々の人生で大きな決断や重要な側面に関わるトピックをGoogleは「YMYL」と定義しており、他カテゴリのページよりも非常に厳格に扱っているため、正確な情報・高い品質が求められます。
ここでは、YMYLとはどういうものか、SEOを行う上で重要なE-E-A-T (旧E-A-T)との関係性やYMYLジャンルで意識すべきSEO対策方法について解説します。
YMYLとは?
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の頭文字をとった略語で、
直訳すると「あなたのお金、あなたの生活」という意味になり、「人生において、お金や健康などに関する大きな決断や重要な側面で影響を与えるテーマやトピック」のことを指す単語です。
例えば、ある病気や症状についての対処方法や服用する薬が間違って紹介されていた場合、その情報を目にしたユーザーはさらなる病気・症状の悪化や、最悪の場合生死に関わる問題にまで発展してしまう可能性があります。
このような重要な専門的情報・知見を必要とするカテゴリは、Googleの検索品質評価ガイドライン※1で「人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピック」と定義されており、他トピックより厳しい評価基準を適用すると記載されています。
参考(※1)
https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdfYMYLに該当する7つのジャンル
YMYLに該当するジャンルとして
以下7つがGoogleの品質評価ガイドラインに記載されています。
・ニュースや時事問題
・市民権・政府・法律
・金融・財産
・買い物・ショッピング
・医療・健康・安全
・人々の集団・グループ(人種・宗教・国籍など)
・その他(サプリメントや就職など)
それぞれのジャンルについて、具体的な内容を説明します。
・ニュースや時事問題
国際的なニュースや災害に関する情報、時事問題(ビジネス・政治・科学・テクノロジーなど)の重要なトピックに関する情報を扱うページが該当します。
例えば、戦争や紛争、地震や気候変動などに関するニュースは、情報が不正確だと人々の生活に大きな影響を及ぼす可能性があるトピックです。
一方、エンターテイメントやスポーツなどに関するトピックは、人々の生活への影響が小さいため、ニュースカテゴリであっても、YMYL領域として扱われない場合が多いです。
・市民権・政府・法律
選挙や政府機関、公的機関、社会福祉、法的問題などに関するページが該当します。
例えば、離婚・子供の親権・養子縁組・遺言書の作成などに関するトピックです。
これらは、誤った情報によって人々の生活が妨げられる、正しい行政サービスを受けられないなどの不利益が生じないよう厳しく評価されます。
・金融・財産
投資(株・為替など)、税金、退職後の生活設計、ローン、銀行、保険、仮想通貨などに関するページが該当します。特に、オンラインで商品・サービスの購入や送金ができるページなどです。
このような金融や財産に関するコンテンツは人々のお金に与える影響が大きいため、誤った情報や正確ではないアドバイスを信頼してしまうことで大きな損失を被ってしまわないように、厳しく評価されます。
・買い物・ショッピング
インターネットショッピングなどの商品・サービスの購入ができるECサイトや、オンラインで送金・決済ができるページなどが該当します。
特に、高額な商品やサービスに関するものは、人々のお金や人生への影響が大きいため、
大きな損失を被ってしまわないように厳しく評価されます。
・医療・健康・安全
病気や健康、メンタルヘルスなどの医療問題や病院、薬品、緊急時の備え、活動の危険性などに関するページが該当します。
医療・健康・安全に関するアドバイスや情報は、健康上の不利益や人々の生命にも関わるため、非常に厳しく扱われます。
・人々の集団・グループ(人種・宗教・国籍など)
国籍、人種、民族、宗教、性別(LGBT・ジェンダー)、年齢、地位などに関するページが該当します。
これらのトピックは非常にデリケートな問題であり、誤解や差別を招くような表現や情報によって、争いやトラブルに発展する恐れもあります。
人々の権利や平等に関わるため、慎重に取り扱うことが求められ、厳しく評価されます。
・その他(サプリメントや就職など)
フィットネスや栄養、サプリメント、住居情報(引っ越し・住宅の購入)、大学の選択、就職など、人々の人生で大きな決断や重要な場面に関連するページが該当します。
これまでに挙げた7つのジャンルだけでなく、人々の生活や意思決定に深くかかわるトピックであれば、YMYLコンテンツとして扱われる可能性が高いため、正確さや信頼性の高さが求められます。自社メディアなどのコンテンツ作成の際は、品質や信頼性を意識して作成しましょう。
YMYLと E-E-A-T (旧E-A-T)の関係
YMYLを理解する上で、E-E-A-T (旧E-A-T)という言葉が出てきます。
E-E-A-T (旧E-A-T)とYMYLとを混同しないよう、それぞれの意味をよく理解する必要があります。
Googleはコンテンツの品質を評価する基準を「E-E-A-T (旧E-A-T)」と定義しています。
E-E-A-T (旧E-A-T)は、以下の3つの評価基準の頭文字をとった略語です。
E:Experience(経験)
E:Expertise(専門性)
A:Authoritativeness(権威性)
T:Trustworthiness(信頼性)
E-E-A-Tは、人々の生活や健康に影響を与えるページを評価する際に基準となる考え方です。
例えば、誰かが便秘の解消法についての情報を発信していたとします。
しかし、「誰か」が不明で、経験、専門性、権威性が担保されていないコンテンツでは、情報の信頼性・信憑性に不安や疑問が残ります。
では、大学病院の院長や専門医師が自身の経験や医学的根拠を元に発信していた場合はどうでしょう。
経験、専門性、権威性が担保されており、コンテンツの情報も信頼しやすいといえます。
このように、人生や健康などに影響を与えるジャンル(YMYL)では、E-E-A-Tが重要視されます。
E-E-A-Tに関して詳しく知りたい方はこちら
関連記事:E-E-A-T(E-A-T)とは?SEO成功の鍵となるGoogleの評価基準を徹底解説!
なぜYMYLの考え方が重要視されている?
Googleは検索結果で表示されるすべての情報において、ユーザーの利便性を第一に(ユーザーファースト)考えて検索体験を提供しようと常にアップデートを繰り返しています。
現在は検索結果には正確性の高い、高品質なものがランキングされています。しかし、かつては誤った情報や信憑性のない情報であっても、検索エンジンのアルゴリズムの特性を狙ってSEOで上位を獲得する手法が横行していました。そして、それらの情報を信じた人たちに健康被害が多発する問題が発生したのです。
この問題にGoogleは大きく憂慮し、厳格な対処を講じて検索品質を向上させるよう努めました。結果として、現在はそのような問題が起きないようにコンテンツの品質が十分に担保されています。
YMYLのSEO対策で重要なポイント
E-E-A-Tを踏まえたうえで、YMYLコンテンツのSEO対策で重要なポイントには、次の6つがあります。
・専門家が執筆・監修したコンテンツを公開する
・信頼性の高い情報を根拠にし、裏付けができるようにする
・著者や監修者のプロフィールや運営元の情報を充実・明記する
・常に最新の情報に更新する
・サイト全体の情報を充実させる
・よい被リンクや評判を増やす
専門家が執筆・監修したコンテンツを公開する
E-E-A-Tの「Authoritativeness(権威性)」を保つため、コンテンツの著者・監修者がそのジャンルの第一人者・専門家であることや、著名人(社会的に認知されている)であることなど、あらゆる信頼できる情報を掲載することが効果的です。
Authoritativeness(権威性)を高めることにも役立ち、ユーザーに有益な情報を提供することにもつながります。
例えば、法律に関するコンテンツなら弁護士、医療に関するコンテンツなら医師などに執筆・監修を依頼しましょう。
信頼性・権威性の高い情報を根拠にし、裏付けができるようにする
YMYL領域では、不正確で曖昧な情報は評価されません。
E-E-A-Tの「Trustworthiness(信頼性)」を担保するために、誤った情報ではなく、正確な情報であることが他ジャンルのコンテンツに比べてより厳しく評価されます。
そのため、公的機関や専門家の参照できるデータを引用・出典掲載し、信頼できる情報源であることを明記してください。
注意点として、無断転載やコピペで出典を明記せず掲載することは著作権侵害にあたります。検索エンジンから低評価を受けるうえに、ユーザーからの信頼も失うので厳禁です。引用や出典は著作物に対するルールを正しく守りましょう。
著者や監修者のプロフィールや運営元の情報を充実・明記する
これもE-E-A-Tの「Trustworthiness(信頼性)」を担保するため、誰が作成したコンテンツなのか、誰が運営しているサイトなのかなど、運営会社情報(ページ)を充実させ、明記しましょう。
サイトの専門性や信頼性も上がり、E-E-A-T全体の質を向上できます。
明記する情報については、住所や連絡先、会社名だけでなく、管理体制やカスタマーサポート、利用規約など豊富な情報掲載が求められます。
最新の情報に更新する
古い情報のままにするのではなく、社会の流れに合わせて新しい情報に更新していくことはコンテンツの信頼性にもつながります。
Googleも情報を定期的に更新しているサイトを高く評価します。
特に、イベントの情報や進歩が著しい医療・薬品関係の専門領域は、情報の新鮮さが重要です。更新の際には、作成日(アップ日)とは別に「更新日」として明記しましょう。
サイト全体の情報を充実させる
コンテンツ(記事)だけでなく、お問い合わせやFAQ、利用規約・プライバシーポリシーなど、サイト全体の各情報を充実させることも大切です。
例えば、ECサイトであれば運営者情報や特定商取引に基づく表記、キャンセル・返金ポリシーのページが必須です。その他、メディアで取り上げられた実績やお客様の声も掲載できれば、第三者の評価を裏付けることができます。
よい被リンクや評判を増やす
信頼性の高いサイトからの被リンクや、専門性の高いユーザーからの言及は、プラスの評価につながります。
また、Googleマップや検索結果に店舗・企業情報を掲載できる「Googleマイビジネス」を活用して、よい口コミを集めることも効果的です。Googleマイビジネスも並行して対策を進めることで、SEO対策の効果がアップします。
MEOに関して詳しく知りたい方はこちら
まとめ
YMYLは通常のコンテンツに比べ、情報の正確さや信頼性が問われるため、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の質を高い水準で充実させることが必要となります。
ですが、YMYL領域のコンテンツのみならず、他のジャンルにとってもE-E-A-Tの項目を満たすことはSEO対策にはとても大切です。
コンテンツを作成する際は、E-E-A-Tの項目がしっかりクリアできているか確認し、Googleのアルゴリズムに沿って作成しましょう。