PV数とセッション数、ユーザー数の違いって? 意外と知らないアクセス解析
webサイトへのアクセス状況を検証する際の指標として、PV・セッション・ユーザー数が多く用いられます。PV・セッション・ユーザー数は多いに越したことはありませんが、“何となく”で覚えている人は意外と少なくありません。 しかし、これらの指標を正確に理解していかなければアクセス解析をしているとはいえません。そこで今回は、“意外と知らないウェブマーケティング用語” (PV・ユーザー・セッション数)について解説します。
AI要約
セッション数とは
それではまず、セッションについて見ていきましょう。
セッションは、サイトから離脱すれば終了とされていますが、Googleアナリティクスでは下のように厳密に定義されています。
1. 30分以上ユーザーが動かない場合 2. 日付が変わる場合 3. 参照元が異なる場合
それでは、具体例を用いて説明するので詳しく見ていきましょう。
① 30分以上ユーザーが動かない場合
(例)長時間パソコン画面から離れたユーザー
Q. ページAを見た後、30分以上パソコン画面から離れ、同じサイト内のページBを見た場合セッションはどうなるでしょう。
A. この場合、前のセッションは切れて新しいセッションが始まります。逆に、30分以内であれば、同じセッションとしてカウントされるのです。
考え方としては、同じサイトを閲覧する場合、操作の間隔が30分を超えるとセッションは切れます。逆に、30分以内であれば同じセッションとしてカウントされるということです。
Point: 30分を超えると異なるセッションとしてカウントされる
② 日付が切り替わる時
(例)日付変更後も同じサイトを閲覧し続けるユーザー
Q. 日付が切り替わる15分前にあるサイトを訪問し、日付が変わった後も同じサイトを閲覧し続けているユーザーがいるとします。セッションはどうなるのでしょうか。
A. この場合、前のセッションは切れ、新しいセッションが始まります。考え方としては、前のセッション時間の長さに関係なく、日付をまたぐと新しいセッションとしてカウントされるのです。
Point: 日付が変わると、セッション時間に関係なく新しいセッションとしてカウントされる。
③ 参照元が異なる場合
(例)サイトへの流入経路が異なる場合1
Q. サイトAのリンクからサイトBに遷移し、すぐにサイトCのリンクから再びサイトBに戻った場合。サイトBのセッションはどうなるでしょう。
A. 少し複雑なので図を用いて説明します。
考え方としては、同じサイトを訪問したとしても、異なるサイトからの流入であれば、別のセッションとしてカウントされるということです。
(例) サイトへの流入経路が異なる場合2
異なる検索キーワードで他のサイトへ遷移したユーザーのセッションについて
Q. 検索キーワード「AAA」からサイトAを訪問した後、すぐに検索キーワード「BBB」から再びサイトAに訪問した場合はどうなのでしょうか?
A. この場合も、サイトに訪問したユーザーのセッションは切れ、また新しいセッションが始まります。考え方としては、ユーザーのセッション時間に関係なく検索の仕方が変わればセッションが切れるということなります。
Point: サイトへの流入経路・参照元が異なれば、異なるセッションとしてカウントされる。
ユーザー数とは
ユーザー数とは、集計期間内に重複していないアクセス数を表したものです。
例えば、ある1日のユーザー数を測定する場合を考えてみましょう。
ここでは、集計期間を1日としているので、1日の間での重複するユーザーが省かれます。つまり、1日のうちでページ遷移したユーザーや、度々訪問したユーザーは1としてカウントされます。同様に1週間や1ヶ月の場合も、集計期間内で重複しているユーザーや、度々訪問したユーザーは1としてカウントされます。
“集計期間”と数値に関しては意外と間違えやすいので、正確に理解しておかなければなりません。そこで、同じユーザーとしてカウントされる場合と異なるユーザーとしてカウントされる場合について解説します。
①同じユーザーとしてカウントされる場合
先述の通り、ユーザー数とは特定の集計期間内に訪問したユーザーの数のことを指しますが、集計期間内に何度訪れようと同じユーザーとしてカウントされます。
(例)集計期間が1日の場合のユーザー数について考えてみましょう。
集計期間を1日とし、あるサイトの訪問者がAさんだけの日があるとします。
Aさんは異なる時間帯に合計5回訪問しました(9時, 12時, 15時, 18時, 21時)。
1日の間に5回も訪問したAさんですが、Aさんは1人のユーザーとしてカウントされます。
(例)次に集計期間を1ヶ月とした場合のユーザー数について考えてみましょう。
1ヶ月間でAさんの訪問が5日あったとします。集計期間を1ヶ月としたとき、違う日程で何度訪問したとしてもユーザーは1としてカウントされます。1日のユーザー数の合計を1ヶ月のユーザー数として算出してしまうと、違う日程で訪問した一人のユーザーが別のユーザーとしてカウントされてしまうことが分かりますね。
②異なるユーザーとしてカウントされる場合
同様に、あるサイトの訪問者がAさんだけの日があるとします。
Aさんは同じ日に異なる端末(パソコン、スマホ)から同じサイトを訪問したとします。
この場合、異なるユーザーの流入としてカウントされます。
Point: ユーザー数は、ブラウザのCookieを元に算出される。異なるブラウザや端末からの流入は別のユーザーからのものとして認識される。
よく、1ヶ月のユーザー数を算出する際、一日ごとのユーザー数を合計し30日間のユーザー数としている人を見かけますが、間違っているので気をつけましょう。集計期間を1日とした場合に重複するユーザーと、集計期間を1ヶ月とした場合に重複するユーザーでは全く意味が異なるからです。
集計期間を1日とてしまうと、1ヶ月間に違う日程で訪問したユーザーを1人のユーザーとしてカウントすることはできません。つまり、1ヶ月のユーザー数を算出する際、日別のデーターを合計してしまうと、違う日程で訪問したユーザーが一人のユーザーとしてカウントされないので注意しましょう。
PV数とは
最後にPV数について説明します。
端的に説明しますと、サイト内のページがブラウザに表示された回数のことを指します。
PV数に関しては他の指標と比べても単純で分かりやすいものです。
PV数は、ページが1ページ表示されると1PVとしてカウントされます。
では、異なるユーザー6名(A~F)がサイトを訪問した場合を考えてみましょう。
ユーザーの経路は下のようになっています。
まず、6名のユーザーがTOPページを開いた時点でPV数は6としてカウントされます。そのうち2名が2階層目のページA, B, Cを開いたのでPV数は+5となります。
三階層目に関しては、二人のユーザーが訪問してるため+2としてカウントされます。
よってPV数は13となります。
このように、PV数はサイトの集客状況を表す一つの指標として用いられます。
Point: セッション中に同じサイトのページが表示された回数と捉えておくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は“意外と知らないマーケティング用語”について解説しました。基本中の基本といっても過言ではありませんが、意外と混同している人が多いものです。
PV数が多ければいいと認識している人もいるようですが、PVに対してのセッション数を考えることも重要です。多くのPVに対して一定のセッション数を獲得できているのであれば問題ありませんが、PV数とセッション数がほぼ同じ数値などの場合は注意が必要です。
なぜなら、1回のセッションで複数のページにアクセスすることが普通でしょうから、セッション < PVが成り立たないとおかしいわけです。 よって、セッション数とPV数がほぼ同じ値の場合はユーザーのニーズを満たしていないコンテンツを多く含むと考えられます。 ユーザー数に関しても同様に、同一のユーザーが複数回サイトにアクセスするのが普通でしょうから、ユーザー数<セッション数が成り立たなければなりません。 ユーザー数とセッション数の数値がほぼ同じ場合、リピート率が低く、ユーザーのニーズを満たしていないと認識しましょう。 しかしながら、サイトへの流入状況はふとしたタイミングで大きく変わったりするものです。Webサイトを運営している方やweb担当者の方であれば、今回紹介した指標について正確に理解し、どこに問題があるのか明確にしていきましょう。